かつて、私の居場所でした。
一時期、ダンスサークルに入っていました。
結果から言うと、副リーダーとの折り合いが悪く辞めてしまいました。ですが「あんな腐ったところ辞めてよかった、清々した」という気持ちと同時に、未だにサークルの夢を見ます。
色々なステージに出る事をメインとしたダンスサークルでした。元々「ダンス」が大の苦手な私は、それを克服するためにダンスサークルに入る事にしたのですが。
いざ加入してみて分かった、サークル内のあまりに酷い実態にストレスは溜まる一方でした。
リーダーの統率力がなく、メンバーをまとめ切れない。
計画性もなく、いつもステージに間に合わない。
副リーダーは何もしないけれど口ばかり偉そう。
「死ね」や「お前いらない」なんて言葉は日常茶飯事でした。
それでも私はリーダーの事は慕っていました。リーダーはよくも悪くも純粋でいい人でした。ダンスも上手で、知識も豊富。一番の戦力です。
でも、副リーダーの事が苦手でした。副リーダーはとにかく口が悪いのです。きっとあれは無意識的なものなんだろうと思います。サークル内で一番立場の弱い男性はいつも「お前は使えないから」や「死ね」などと言われていました。
心ない罵声は、自分が浴びせられた訳でなくても不愉快なものです。私はそれが嫌で嫌で溜まりませんでした。
結局、副リーダーに我慢できず反抗したことで「わだかまり」を生んでしまいました。
「わだかまり」は自分の心の中で大きくなっていきます。こんな人の下でいつまでもやっていくのか? 身も心も削って? 得られるものも少ないのに? こんな事を続けて意味があるのか?
私は結局、リーダーの強い制止を振り払って、サークルを辞めました。
残ったのは、「清々しさ」と「罪悪感」と「虚無感」でした。
今でもサークルのツイッターをチェックしたり、サークルで仲が良かった子のツイッターをたまに覗いてしまいます。そこには、楽しそうにサークル活動をする姿があります。(もちろん、愚痴は隠しているのでしょうが)
そして、それを見て湧き起こるのは「かつて、ここに私もいたのになあ」という謎の喪失感です。
サークルにいたのはたった二ヶ月足らずだったと思います。楽しい事と同じくらい嫌な事がありました。
でも、それでも私にとってあのサークルは「私の居場所」になっていたようです。
辞めた事を後悔していません。戻りたいとも思いません。でも、思ってしまうのです。
当然のように私が居ても許される、そんな居場所が欲しいなあ、と。